
毎月の給料の処理の復習をしたい。
”締め日”と”支払日”って大事?
給料から色々と天引きされてるんだけど、あれって何?
前回は年末調整とは何か?についてでした。
簡単に言うと、
①お勤めの方の確定申告の代わり
②一人ひとりが行わずに、会社がまとめて行う
③毎月の給料から、従業員の税金を概算で天引き
④12月に税金確定
⑤確定した税金と概算分を比較
詳細は前回の記事を見てください。
年末調整を行う前に、毎月の給料から税金を天引きします。
以前に、給与の経理ということで、基礎的な考え方について説明しました。
なので、今回はもう少し具体的な経理処理について説明します。
給与の具体的な経理処理
まず、具体的な経理処理を出しておきます。
事業主貸 300,000/預り金(源泉所得税) 4,000
給料 200,000/預り金(社会保険料) 31,000
旅費交通費 10,000/立替金(雇用保険) 600
/預り金(住民税) 7,000
/現金預金or未払費用 467,400
まず左側(貸方)は、給料の内訳です。
「事業主貸」は、個人事業主さんのお給料ですね。
※個人事業の場合は、経費扱いにはならないので区別しておきます。
「給料」は、従業員さんのお給料分です。
「旅費交通費」は、通勤手当です。
※給料と通勤手当は、税金の計算が異なるので区別します。
次に右側(借方)は、支払方法です。
全額を従業員さんに支払う訳ではなく、役所に支払うものもあるので区別します。
「預り金」は、給料から天引きし、基本的には翌月に支払います。
雇用保険だけ「立替金」として処理しています。
※労働保険(雇用保険と労災保険の総称)は、4月から翌年3月までの分を計算し、概算で納付しているため、前払い扱いと処理します。
「現金預金」or「未払費用」は、”締め日”と”支払日”によって使い分けます。
実際の経理では、「立替金」を使わずに、「預り金」や「法定福利費」で処理していることもあります。
”締め日”と”支払日”
お給料は会社によって異なりますが、”締め日”と”支払日”があります。
例)
末日締め翌月25日払い
15日締め当月末日払い
末日締め翌々月10日払い
ここで気を付けておきたいのは、、、
源泉所得税の納付期限は、実際に支払った月の翌月10日まで!
9月分の給料を10月25日に支払うなら、その翌月なので11月10日まで。
9月分の給料を9月30日に支払うなら、その翌月なので10月10日まで。
同じ9月分でも、会社によって納付日が異なるので気を付けましょう。
源泉所得税には、納期の特例があります。
常時10人未満の会社では、半年に一度(1月と7月)にまとめることもできます。
こちらは、手続きが必要なので、国税庁のサイトをご確認ください。
納付時:預り金(源泉所得税) 4,000/現金預金 4,000
源泉所得税以外の天引き
ここまでは、源泉所得税についての説明でした。
ここからは、他の天引き項目について説明します。
社会保険料
社会保険料は、後日詳しく書くことになりそうなので、今回は納付時の処理だけ書いておきます。
納付時:預り金(社会保険料) 31,000/現金預金 62,700
法定福利費 31,700/
社会保険料は、従業員と会社で折半になります。
ただし、会社のみ「子ども・子育て拠出金」というものを負担するので、会社負担分(法定福利費)の方が若干高くなります。
詳細は、教会けんぽのサイトをご確認ください。
雇用保険
雇用保険の立替分は1年分の概算計算をした時点で、納付済みです。
分かりづらいんですが、「前年のズレの調整」と「翌年の概算計算」を同時に行います。
さらに雇用保険とは別に労災保険(こちらは全額、事業主負担)も支払うので、厳密に経理を行うと複雑です。
なので、実務では「立替金」を使わずに「法定福利費」でまとめて処理していることも多いかもしれませんね。
住民税
最後に住民税です。
これは、源泉所得税に近いです。
納付時:預り金(住民税) 7,000/現金預金 7,000
ただし、住民税に関しては、天引きが義務となっている訳ではありません。
「普通徴収」と「特別徴収」というものを選択できます。
※「普通徴収」は年4回の分割で、個人が自ら納付するので、一回当たりの負担が大きく、納付漏れも起きやすいです。
※特別徴収なら役所から納付する額も通知がきますので、面倒な計算はありません。
詳細は、該当の地域に確認しましょう。
ちなみに札幌の場合はこちら。
平成32年度には、すべての事業所で特別徴収になるみたいですね。
まとめ
・実際の給料からは色々と天引きされている!
・”締め日”と”支払日”には注意が必要!
・社会保険や雇用保険など、それぞれルールが異なる!
・住民税は源泉所得税に似ているが、詳細は各自治体に確認するべし!