事業存続のために必要な知識『利益』について

利益とはいったい何なのか?

資金の大切さは前回のブログで書きました。
そして、資金と同じくらい大切なのが、利益。
経営の神様と呼ばれた「ピーター・ドラッカー」は、利益は組織存続のための条件と言っています。
利益を上げることは『目的』ではなく『条件』なのです。

利益の計算方法は、「収益-費用」で計算します。
そして、利益はその性格に応じて、5つに分かれます。
では、それぞれの利益について、もっと詳しく説明します。

 

1.売上総利益

これは、「売上-売上原価」で計算します。
売上は事業の商品・サービスが社会に貢献した額です。
売上原価は、売上のために直接かかっている費用です。
要するに、売上総利益は「商品・サービスが社会に貢献した力」のことですね。

2.営業利益

これは、「売上総利益-販管費」で計算します。
販管費は、商品・サービスを提供するための事業にかかる費用です。
例えば、本社・販売所の人件費、家賃、交際費なども含まれます。
要するに、営業利益は「メイン事業の稼ぐ力」ということです。

3.経常利益

これは、「営業利益+営業外収益-営業外費用」で計算します。
営業外収益・費用は、事業の投資活動や財務活動など、営業活動以外で発生したものです。
要するに、経常利益は「事業全体の稼ぐ力」ですね。

4.税引き前当期純利益

これは、「経常利益+特別利益-特別損失」で計算します。
特別利益・損失は、毎年起こるようなものではなく、突発的に発生した取引によるものです。
要するに、税引き前当期純利益は「当期の事業全体で稼いだ額」になります。

5.税引き後当期純利益

これは、「税引き前当期純利益-税金」で計算します。
当期にかかった税金をマイナスすることで「翌期に繰り越される儲け」となります。

 

『利益』を出すために意識していくこと

4と5については、個人事業では、あまり表現として出てくることはないかと思いますので、最初は「経常利益」までを意識しましょう!

毎年、利益を出して、次年へ繰り越し、事業を拡大していくことが事業の存続につながっていきます。
逆を言うと、利益が出ないと、次年へ損失を繰り越すことになるので、元手が減って、資金が減少し、事業存続が厳しくなるかもしれません。。。

計算式からも分かるように、「収益-費用」で計算するので、「収益」を拡大するか、「費用」を削減するかでしか利益アップはできません。

費用対効果を意識して、ムダな作業や時間をなくすことが大事です。
ただし、ここのムダなことは会計資料だけでは見つけることはできませんので、普段からの仕事を注意深く観察して、ムダになっていることや非効率なことを探すように意識しましょう。

 

まとめ

・利益は、その性格に合わせて5つに分類される。
・前年と比べたり、同業他社と比較することで、事業の改善点を探すことができる。
・費用対効果を意識して、ムダになっている作業などがないかに注意する。
・利益は、『事業の目的』ではなく、『組織存続のための条件』である。

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