事業存続のために必要な知識『黒字倒産』について

『黒字倒産』とは何なのか?

最近では「黒字倒産」という言葉を聞くことも増えたかもしれません。

「黒字」は、利益が出ている状態のこと。(マイナスの状態が「赤字」ですね)
「倒産」は、債務の支払い時に返済できず、その状態が続き、活動できなくなること。
倒産はお金の支払いができなくなることなので、黒字は直接は関係しません。

ただし、赤字の状態が続くと、お金が減っていき、借入や自己資金も足りなくなると、倒産してしまいます。
じゃぁ、黒字の状態が続けば、お金が増えていき、返済なども困ることなく、倒産しないんじゃないの?と思われるかもしれません。

ただし、事業はそんなに単純でもありません・・・

黒字倒産の仕組み

分かりやすくするために極端な例で説明しますね。

例えば、現金を200万円を用意して開業したとします。
それを全て商品の仕入にあてます。現在、現金は0円になりました。
仕入れた商品が300万円で売れました。

ここで、黒字倒産の原因が起きます。
売上先の入金は翌々月とのことで、入金されるのは2か月後。。
それまで現金が0円の状態が続きます。
この状態で12月末を迎えると、売上300万円から仕入200万円を引いて、所得100万円です。
税金を計算したところ、50万円の支払いとなりました。
現金がないので、お支払いできません。。

っていう感じです!
厳密には、税金が払えないから倒産というよりも、借入金の返済や取引先への支払いで、資金が尽きてしまう。
支払が遅くなると、信用度が落ち、取引規模が縮小していく。
取引が思うようにできなくなり、営業できなくなる。
あとは、人件費や家賃の支払いも、トラブルの原因になりやすいですね。。

黒字の事業はどれくらいあるの?

国税庁の統計情報で、事業として納税している人の割合が、、、
平成23年で約40%
平成24年、25年で約42%
平成26年で約43%
平成27年、28年で約45%
となっています。
納税状況の資料で、各種控除を受けた後の割合なので、黒字の方はもう少し多いかとは思われます。
それでも、半分近くの方は、赤字となっているという状況です。

まぁ、少しでも税金を抑えるために工夫している方もいると思いますし、個人事業は代表者への給料が経費にはならないため、法人よりは赤字になりにくいですが、資金繰りの意識は常に持ちましょう。

まとめ

・利益を出すことも大事だが、一番優先すべきは資金の確保!
・ただし、赤字が続くと、必ず資金繰りが苦しくなるので、利益も必須!
・全体で個人事業でも半数近くの方が赤字になっている。
・税金を払ってでも、資金が残るくらいの余剰を生み出すことを意識する。

タイトルとURLをコピーしました