未払い残業ってどうして起きるの?
労働時間の計算は?
例外的に簡単に計算する方法はある?
前回は残業手当の種類を確認しました。
「時間外手当」「休日手当」「深夜手当」の3種類。
残業代の基本的には「時給×残業時間×割増率」で計算します。
このどこかで間違えると、残業代未払などが起きるかも…
1時間当たりの賃金と割増率は、次回書く予定です。
今回は実際に働いた労働時間について、説明します。
ひとまず、すぐに概要を知りたいという方はこちらでまとまっています。
労働時間の考え方
労働時間には何が含まれる?
労働基準法では、実際に労働した時間が労働時間です。
今回は、判断が微妙なところについて、確認しましょう。
準備時間
まずは、朝礼や清掃、着替えなどの準備時間について。
一定の条件を満たすと、労働時間に含められます。
業務上必要で、事業所内で行われ、義務付けされていたりと、条件を満たすとこれは仕事の一部となります。
休憩時間
昼休憩などの休憩時間は労働時間から除きます。
休憩時間も、労働時間が6時間を超えると45分以上。
労働時間が8時間を超えると60分以上が必須です。
超えるという表現は、8時間ピッタリなら45分でも問題はありません。
ただし、1分でも超えると60分以上になるので、60分以上で決めておいた方が良いでしょう。
有給休暇
有給休暇は、労働時間には含みません。
なので、1日8時間や1週40時間の集計からは外れます。
ただし、お給料の計算には当然含みます。
遅刻・早退
遅刻や早退した場合は、実際には働いていません。
なので、労働時間には含みません。
1時間遅刻して、1時間残業したとしても、定時と変わりません。
ただし、深夜の時間帯(22時から翌5時)に残業したら、深夜手当はつきます。
あとは、就業規則などで終業時刻などが決められているような場合には、時間外手当がつく可能性はありますので、要注意です。
と、判断が微妙なことは多々あるので、労働基準について都度調べましょう!
端数処理は問題ないか?
労働時間数の計算は、原則、1分単位で行う!!
ただ、端数処理の例外も出ています。
※通達(基発第150号)で提示
全文を読むので厳しいので、端数処理部分をまとめてくれているのがこちら。
さらに、労働時間の部分はこちら。
「1か月における時間外労働、休日労働および深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること」
あくまでも「1ヶ月」の「時間外・休日・深夜の各々の時間数の合計」です。
合計で1時間未満だったら、30分未満は切り捨て、30分以上は切り上げ。
未満は30分を含みません。
なので、1ヶ月のそれぞれの合計が29分までだったら、切り捨てて0分になります。
こうなってくると、働いてる方は疑問を持つ人が沢山出てくると思います。
タイムカードで15分単位(中には30分単位)で処理されている場合です。
これは原則や例外を考慮しても違法な可能性が高そうですね。
1ヶ月20日勤務だとして、1日10分ずつ切り捨てられているとしたら…
1ヶ月で200分(3時間20分)なので、例外だと20分の切り捨て。
3時間分、給料や残業代がもらえていないかも。。
この辺りは、しっかりと確認の上、弁護士さんなどの法律のプロに相談しましょう。
特殊な労働形態
業種や業態によって、様々な働き方が出ているので、特殊な形態を紹介しておきます。
・変形労働時間制
・フレックスタイム制
・裁量労働制
・みなし残業代(固定残業代)
ここまでくると、ちょっとまとめきれません(泣)
会社や個人事業主は、しっかりと調べましょう。
自分たちの働き方にあった方法で、しっかりとお給料を払う!
そして、従業員さんに快適に働いてもらって、売上アップです!
就業規則について
最後に、頻繁に出てきた就業規則について。
就業規則のモデルを、厚生労働省で出していますので、参考まで。
まとめ
・労働時間は原則、1分単位で計算!
・例外として、1ヶ月で30分未満は切り捨てできる!
・未払い残業問題が起こらないように、しっかりと勉強する!
・労働形態は業種業態によって、検討する!